Good loser Bad loser

勝負事というものには勝者もいれば敗者もいる。

もちろんある種のスポーツには引き分けが存在するし、社会で生きていく中では明確に勝ち負けがつかないものがほとんどだろう。今回はその中でも悔しさや屈辱感を少しでも感じる場合、その個人及びチームを「loser」と呼ぶことにする。

 

loserはこの表のように大きく4タイプに分けられると考えられる。

 

 

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自己に対する洞察とは、自らの取り組みに対する反省及びそれを教訓として生かすこととする。一方、他者に対する洞察とは、他者を称えるもしくは貶すことに加え、周囲の環境と結果とを結ぶつけようとする考えである。

 

想定しやすいように、受験を例にとって「Good loser」と 「Bad loser」について説明する。さらに具体例として受験に失敗し、第2志望の大学に入学した大学1年生X君を取り上げる(※実在する団体・人物とは全く関係のないものです)

 

1、Aの場合

X君は、志望学部の入試が数学200点、国語200点、英語200点、地歴公民(一科目)100点の配点にもかかわらず、配点の低い世界史が大好きだったため世界史の勉強ばかりしていた。担任や周囲の言葉に耳を傾けず、ネットで知り得た「数学はできる人とできない人の差が大きく数学ができない人の中でも他の教科次第で合格できる。だから、受験科目の中で最も切るべき科目だ」という真偽不明の情報を当てにしていたためである。その結果、数学だけでなく英語の試験も振るわず受験に失敗してしまったとX君は反省した。

大学入学後は教養科目の単位をすべて取得するため、好きな科目の勉強はほどほどにして、苦手意識を持っている科目の勉強にもある程度の時間を割いた。その結果満足のいく成績をとることができた。しかし、彼は院への進学を考えており特定分野のスペシャリストとなることが求められる専攻科目及び研究ではどうなることやら。。

 

2、Bの場合

上記英語の反省点に加え、情報を常にアップデートすることに加え情報の真偽を確かめるようになった。学年が進んでいくにつれて、一分野へ特化した勉強に専念する方がベストだと理解し、特化した勉強をするようになった。

 

3、Cの場合

まったく過去を顧みることなく、その場その時の感覚と周りの動きに倣うだけでX君は因果をほとんど考えなくなった。単位は修得できたものの自ら考えてこなかったため将来何をしたいのか、どういった分野で働きたいのか模索する方法すらわからない。

 

4、Dの場合

ある授業の期末試験で単位を落とし、X君は留年の危機に陥った。その原因を「期末試験の傾向が変わったからだ」と決めつけ、過去問や友人のレクチャーに頼りきりだった自らの姿を全く顧みなかった。

 同じ試験を受けたにもかかわらずしっかり単位を修得した友人の姿をX君は思い浮かべた。そして、彼は授業の予習復習をしっかりして試験に備えることが必要だと悟る。

私が思う「Good loser」とは、BとDの一部(他人の行動をしっかり観察し自らの姿を重ね合わせる場合)である。

Bは自他ともに深い洞察をすることから、結果を主観的・客観的に受け止めることができ、その後に活かせる教訓を学べることが多い。自問自答しすぎてはいけないし、周りに原因を求めすぎてもいけない。内的及び外的反省、その両方がそろって初めて悔しさを感じている張本人が前に進むことができるのだ。

 

このようなことを書いた要因の一つはボクシングWBC世界バンタム級タイトルマッチの山中選手の敗戦である。対戦相手の体重超過については賛否両論があるが、山中選手をはじめすべてのloserには自他ともに深い洞察を経ることで次のステップへ進んでほしい。

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